pub:2016.7.20/upd:2016.8.7

【要約】ブランディングの基本

この1冊ですべてがわかる

ブランディングの基本的な流れを概観出来る良本。

ブランディングの場

旧来のブランディングは企業と顧客間において「商品」をフィールドとしてエネルギーを注いできた。

近年では「商品」に加えて、「コンテンツ」や「リレーション」もフィールドとして捉えられるようになってきた。

ブランドとは何か?

ブランドは生活者の商品に対する価値認識に影響をおよぼす印象の記憶である。

ブランドのある場所

ブランドは企業が所有するものだが、ブランドは顧客や生活者の内にある。

生活者という概念

ブランディングではときに生活者にフォーカスして戦略を展開する必要がある。

− 顧客 : 購入者
− 消費者 : 同等の商品やサービスを購入している人々。顧客も含む
− 生活者 : 企業と活動圏をともにしている人々。消費者も含む

ブランドの実体

消費者にとってのブランドの価値

以下の式によって測られる。

消費者が感じるベネフィットに対する価値認識の和/消費者の支払うコストの和

企業にとってのブランドの価値

以下の式によって測られる。なお、企業にとってのブランドの価値は「価格競争からの脱出」「顧客獲得コスト(CPA)の低減」にある。

商品提供価値 + コンテンツ提供価値 + リレーション提供価値

  • 商品提供価値 : 商品直接的に顧客にもたらすベネフィット
  • コンテンツ提供価値 : 商品に付随してもたらされる情報群
  • リレーション提供価値 : 商品に関連してもたらされるコミュニケーションや場

ブランド力

以下の式によって測られる。

すべての生活者にとってのブランド価値の和

ブランディングの実務

ブランディングとは以下の作業を繰り返すことである。

準備

  • 背景確認
  • 顧客の想定
  • ブランドストーリーの設定

価値の極大化

ブランドストーリーをコアとした体験の提供。

価値の波及

コンテンツとリレーションの強化。

フィードバック

準備から価値波及までのプロセスの振り返りと改善。

ブランディングに適した時期

  • 新商品 : 商品の具体像が固まった段階
  • 既存商品 : 一連のトライアルが完了した段階

ブランドアイデンティティの確立

顧客層の分析

LTVへの貢献、CPA低減の貢献のの2つの視点から顧客層をセグメンテーションする。

  • ブランドパートナー : LTV:大、CPA:大 ブランドパートナーが増加していくことが健全なブランディングが行えていることの証左
  • ブランドサポーター : LTV:大、CPA:小 離脱防止策を中心とした戦略が求められる
  • ブランドキャスター : LTV:小、CPA:大 価格よりも品質に関心があることが多い
  • 一般顧客 : LTV:小、CPA:小 ブランディング戦略の中心的な目的とすることは少ないが、結果的に発生する顧客

ペルソナの作成

理想的なブランドパートナー像からペルソナを作る。

ブランドストーリーの準備

以下のモジュールを順に意識しながら短いストーリーを作る。

  • 生活者にブランドが提供できるベネフィット
  • 消費者にブランドが提供できるベネフィット
  • 消費者が体感できるブランドの独自性
  • 消費者の目に見えないブランドの独自性

ブランドストーリーには長期的使用適正、(他との比較によらない)自己完結性、表現の具体性が実現されていることが求められる。

ブランドパーソナリティの準備

性格の比喩でブランドらしさを明文化する。

顧客の意識の変化

顧客の意識は、時間の経過にともなって段階的に変化する。

  • 次期顧客 : カテゴリーへの関心もない
  • 潜在顧客 : 商品カテゴリーには興味がある
  • 検討顧客 : 部分的には自社ブランドに意識が向いている
  • 現在顧客 : 意識が自社ブランドに向いている状態
  • 回遊顧客 : 部分的には自社ブランドに意識が向いている
  • 離脱顧客 : 商品カテゴリーには興味がある
  • 卒業顧客 : カテゴリーへの関心もない

意識が向いていないときには、意識を向ける戦略を取り、
意識が向いているときには、ブランドアイデンティティを理解・体感させる戦略を取る。

次期顧客、潜在顧客、検討顧客への対応

現在顧客へと進行させる方向への力を働かせる必要がある。

評判のマネジメント戦略が中心的な役割を果たす。

回遊顧客、離脱顧客、卒業顧客への対応

現在顧客へと揺り戻す方向への力を働かせる必要がある。

コミュニティや場の戦略が中心的な役割を果たす。

差積化による差別化

模倣容易に見える細かな差の集積が模倣困難なブランド力の源泉となる。

とくに評判のマネジメント戦略では少しづつ育ててしきい値を越えていく意識を持つことが有効。

価値創造へのアプローチ

ブランド価値は顧客と企業がそれぞれのアプローチによって構築される。

ブランディングの各フィールドにおいて理性と感性の両面から価値創造へアプローチしていくことで、顧客がブランドストーリーを体感することが可能となる。

コンテンツ提供価値フィールドにおける戦略

  • 逸話 : 感性 商品作成にまつわる逸話や商品利用にまつわる逸話の活用
  • 情景 : 感性 商品とともに想起される空間に存在する、人・物・背景・色・ロゴ・キャラクタなど
  • 提案 : 理性 生活向上のための啓蒙
  • 証明 : 理性 商品が優れたものであることの客観的な証明の獲得

リレーション提供価値フィールドにおける戦略

  • 応接 : 感性 優良顧客ほど優先される、おもてなしや優遇処置
  • 仲間 : 感性 コミュニティの強化活動
  • 共創 : 理性 商品を作ったり改善したりする活動
  • 社会 : 理性 ブランドアイデンティティをコアに置いた社会貢献活動

戦略の評価と優先順位

LTVの向上度、CPAの低減度、コストの3面から戦略を評価し、評価の高い戦略を優先的に実施していく。

REFERENCE

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