pub:2015.10.11/upd:2016.8.3

【要約】使える弁証法

IT社会の未来がわかる?

弁証法があまりにも万能の法として語られており、少し割り引いたほうが良いと感じたが著者も承知の上であろう。

弁証法で未来を予測する

弁証法は論理的に未来を予測するために用いることができる「哲学的な思索の方法」である。弁証法を身につけることは、以下の能力を身につけることでもある。

  • 洞察力
  • 予見力
  • 対話力

弁証法を使いこなせるようになると、特別に秘匿された情報によらなくても、説得力がある未来世界のモデルを構築することができる。

螺旋的発展

弁証法としてまとめられた法則の中で、もっとも実用的なものは「螺旋的発展」である。

「螺旋的発展」は「復活」と「進化」が同時に起こり、時代が更新されていく様子を示した言葉である。

とくに「復活」は、革命やイノベーションをきっかけにして起こる。つまり、歴史を学んでおけば革命やイノベーションが起きたとき、「なにかが復活する可能性」について思い至ることができる。これは過去を通じて未来を予測することでもある。

螺旋的な発展の例

インターネットの普及によって、実際にいくつかの「螺旋的発展」が起こった。以下にその例を紹介する。

ネットオークション

復活したのは「直接取引」である。インターネットが売り手と買い手の直接のコミュニケーションを容易にすることで「直接取引」が復活した。

電子メール

復活したのは「手紙」である。電話により駆逐された手紙は、インターネットによって即時性を獲得し、広く普及した。

加速した螺旋

時代が進むにつれ、めまぐるしく時代の潮流が向きを変えるようになった。

これは弁証法的には「螺旋の動き」が加速と見なすことができる。この加速によって、例えば「企業が立てる長期計画がすぐに陳腐化する」などの現象が起きている。

現代社会においては、現場に直接触れることで、何が「復活」しようとしているのかをリアルタイムで感じることが求められる。

弁証法を実際に使う

まず、「復活する可能性があるもの」について知る必要がある。そのため「かつて消えていったもの」は、どのような要因や作用によって消えたのかを知っておく必要がある。

現代社会では「合理化」が原因で消えることが多い。つまり「合理化」の陰で「ないがしろ」にされたなんらかの「価値」に着目することが手っ取り早い場合が多い。

この方法によれば、革命による環境の変化によって、その価値を復活できる可能性が生じていないか? に着目することができる。

合理化という極

現代社会では合理化があらゆる業界でファーストプライオリティである。しかし、革命が起こると、かつて合理化のために犠牲になった価値が合理性を損なわずに実現できるようになることがよくある。

これは、合理化の対となる極との間に時代の中心となる軸を据えて物事を捉えるということでもある。

補論1 短期的な未来の予測

弁証法によれば特定の事象が極度に推し進められると、突如「対極にある事象が生み出した世界」が出現する。弁証法では、この現象が連続することで時代が変化していくと捉えている。

例えば、知識の共有を推し進めたインターネットの普及により、むしろ知識の価値が陳腐化し、インターネットでは共有できない経験や知恵が価値を持つようになったと捉えることもできる。

補論2 いつ革命が起こるのか?

革命は量が質に転化する時に起こる。

例えば、インターネットの常時接続サービスの普及(革命)によって消費者は多くの情報(量)を入手するようになり、サービスの価値は広く比較されることになっため、企業の都合中心のマーケティングから顧客中心のマーケティングへの(質的な)変化が起こったと捉えること出来る。

補講3 長期的な未来の予測

螺旋の連続の中で対極にあるものはお互いのよい部分取り入れていく。そのため、対立するものは長期的にはよく似てくることになる。この原理は「相互浸透」と呼ばれる。

例えば、リアルとネット。リアルよりネットが有利として始まったネット店舗が、リアル店舗でも営業をするようになったり、その逆のことが起こる。

弁証法と時代変化のダイナミクス

弁証法によれば、矛盾として対立している2つの極が、革命のもたらした新しい環境の中でどのように最善のバランスをとるのかをロジカルに考察していくことができる。

ただし、対象となるのは「矛盾」であるので、論理的な整合性を持った答えを出すことは、原理的にできないものである。

むしろ、弁証法では「革命によって変化した環境」によって対立の均衡点が変化することが、時代を生み出すダイナミクスとして捉える。弁証法において「矛盾」をマネジメントしていくためには、安易に答えを出さず、「洞察」「予見」「対話」を継続して行う必要がある。

REFERENCE

田坂広志氏のyoutubeチャンネル

著者はとても講演がうまい。

  • https://www.youtube.com/user/hiroshitasaka

自分もこれぐらい何かを熱く語れるようになりたいもの(・ω・`)

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