pub:2016.7.29/upd:2016.8.6

【要約】オントロジー工学の理論と実践

知の科学

物事に共通する本質と類似する物事の区別を見抜く力の獲得を目指して。

オントロジーの基本

以下、オントロジーを理解するための概念的な準備について整理する。

基底と実在物

空間と時間は全ての実在物(entity)の基底(substrate)として存在する。

実在物と性質

存在の根拠が自身に完結したものを実在物とし、質量や辺など特定の実在物に存在が依存するものを性質(quality)や特徴(fetuer)と呼ぶ。

具体物(physical entity)と抽象物

空間にも時間にも存在が依存しないものは抽象物(abstract entity)である。数字やシンボルなど。

持続物(continuant)と生起物

生起物(occurrent)では時間のみが基底となる。会議など。

実在物と関係

部分を持つ実在物は、関係を持つ部分の集合と捉える。

情報物と非情報物(non-informative)

文章、音楽などは、情報物(informative)とみなされる。ただしこの区分は状況に依存して移動する。

オブジェクト(object)と物質

水や木材など、分割してもアイデンティティ(identity)を失うことが無い性質を持った実在物を物質(amount of matter)とする。

プロセスとイベント

プロセス(process)の集合がイベント(event)を構成する。イベントは時間的な開始と終了の概念をもって存在するもの。イベントはアイデンティティを保ったまま時間的に分割できない。
一方でプロセスは分割したとしてもアイデンティティを維持する。この性質をongoing性と呼ぶ。

基本概念とロールの違い

夫、妻などの基本概念(basic concept)に依存して存在するものをロール(role)と呼ぶ。

性質

「太郎の身長が160cm」であるとき、身長が性質となり160cmは量となる。
このことをオントロジー的に詳細に観察すると以下のように分解できる。

性質一般タイプ

実在物が持つ一般的な性質のタイプのこと。例では「長さ」のこと。

性質ロールタイプ

実在物に内在する性質一般タイプがどのような役割を果たしているかということ。例では「身長」のこと。

性質

インスタンスが持つ性質のこと。例では「太郎の身長」のこと。

性質インスタンス

性質のインスタンスのこと。例では「太郎の身長が160cm」のこと。

性質インスタンスタイプ

性質インスタンスのタイプこと。例では「太郎の身長が160cm」が「身長」というタイプであるということ。

量と値

値はロールである。例えば、値:160cmは身長という性質ロールタイプを取ったと整理する。

表現

内容を持っているものは表現である。例えば文章や映像などのインスタンスは表現である。

表現物と表現形態

表現された内容が表現形態となる。例えば、「こんにちは」は表現形態であり、「こんにちは」という記述は表現物である。

オブジェクトとデバイスオントロジー

イベントやプロセスとオブジェクトの関連は、外部プロセスと内部プロセスの概念(デバイスオントロジー)を使って整理する。

例えば、扇風機は外部プロセスとして電気を空気流に変換する。
扇風機から見た内部プロセスとして、扇風機に内蔵されたモータが羽を回転させるというプロセスがある。

ある外部プロセスを発生させるオブジェクトは唯一であり、外部プロセスを発生させることをenactと呼んで整理する。

ロール

ロールは以下の概念を組み合わせて整理する。

  • コンテキスト
  • ロール概念
  • player
  • ロールホルダー

適用の例

学校(コンテクスト)には教師(ロール概念)がおり、太郎氏(player)がplayする。ロール概念とplayerクラス制約(人間)をまとめたものをロールホルダーとする。

ロールの性質

ロールには以下の性質が存在する。

  • Anti-Rigit性 : ロールはplayerのクラスに対して流動的(Anti-Rigit)である性質
  • ダイナミック性 : クラス制約を満たす限り、他のplayerインスタンスで代替可能である性質
  • コンテクスト依存性 : コンテクストが消滅すればロールも消滅する性質

REFERENCE

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