pub:2015.7.31/upd:2016.8.3

【要約】NHK 100分de名著 : フランクル「夜と霧」

生きる意味を見失ってしまった人たちへ

強制収容所の極限の生活を実体験したフランクル。

そんな彼の「人間はどんなに絶望的な状況にあっても、希望を見出して生きていくことができる」というメッセージは力強く、人生に希望を与えるものであると感じた。

以下に要約を残しておく。

第1回 絶望の中で見つけた希望

基本情報

フランクル (Viktor Emil Frankl)は精神分析学のビッグネームであるフロイトやアドラーにも師事していた精神科医である。 ユダヤ人の彼は、1942年にアウシュビッツ強制収容所に囚人として収容されることになる。

「夜と霧」は、絶望の中で倒れゆく囚人たちや懸命に生き抜いていく囚人たちの心の動きをまとめた、フランクルの代表作として知られている。

出版は1946年。終戦後開放されたフランクルは9日間で書き上げたと言われている。
アメリカでは累計1000万部を発行。「私の人生に最も影響を与えた本10選」(1991 アメリカ国会図書館調査) に選ばれている。

日本でも累計100万部が発行されている。東日本大震災後売上が伸び、絶望に満ちた多くの人を救ったと言われている。

絶望の始まり

すし詰め&立ちっぱなしの貨物列車で4日をかけてアウシュビッツに到着。

  • 到着後、全員が右(9割)と左(1割)に選別される。
    • 彼の両親、妻、子供は右、フランクルは左。
      • 右は即ガス室。左は強制労働。
  • 全財産、所持品、名前を剥奪され、119104と呼ばれることになる。
    • 「労働は自由への道」と書かれた正門を通り収容所へ。

囚人たちの変化

囚人たちには肉体的な順応と精神的な順応が見られた。

肉体的な順応

誰も風邪もひかなくなった。肉体が生存に集中したためと思われた。

精神的な順応

アパシー(無感情・無関心)の蔓延が見られた。精神もまた生存に集中したためと思われた。

  • 朝、仲間が死んでいても何も思わない
  • 病むものが近くにいても何も思わない

囚人から取り立てられた囚人の監視役が、看守よりも残忍に振る舞うことも多かった。

生き残らなかった人々の特徴

人間性をなくした人の行動

過酷な状況に人間性をなくした人々は生き残ることはなかった。

  • 「こうした事態なのだから仕方がないではないか」という思考から、人間性を捨て死体からモノを奪う。

生きることを放棄した人の行動

生き残るという態度を捨てた人々もまた、生き残ることはなかった。

  • 点呼の時間になっても起きない
  • 食料をたばこに交換
  • 自殺

かりそめの希望を失った人の行動

かりそめの希望にすがった人々も生き残ることはなかった。

  • 「クリスマスに開放される」というデマを信じ心の支えにしていた人々がクリスマスを過ぎに大量死。

生き残った人々の特徴

人間性を捨てなかった少数の人々が生き残った。彼らは他者に優しい言葉をかける、最期のパンを分け与えるなどの行動に出た。

音楽やユーモアを楽しむ人の行動

音楽やユーモアを楽しみ、意識的に心を癒やすことで人間性を捨てずに済んだ人々がいた。それは「生きる」という態度の表明でもあった。

神に祈りを捧げる人の行動

信仰心が確固たる希望を生み、生きる支えとなっていた。

極限状態で人間性を捨てないためには?

フランクルは「人間から絶対に奪うことが出来ない”最期の自由(選択)”を支えとすることで、困難な状況にあっても人間性を捨てないことができる」と結論づけた。

人間の最期の自由 = 与えられた状況に対してとる態度

第2回 どんな人生にも意味がある 

人はどうせ死んでしまうのになぜ生きるか?

フランクルは収容所に入る以前に「どうせ死んでしまうのになぜ生きるか?」という問い対して独自の答えを見出ていた。その答えを元に、ロゴセラピーと呼ばれる手法で自殺患者をケアしていた。

ロゴセラピーとは?

ロゴセラピーとは「心を病んでしまう原因を生きる意味(価値)見失っていること」として、生きる価値の発見を目指すセラピーのことである。

ロゴセラピーの本質を表した言葉

フランクルは「もはや人生に期待ができない」との囚人の相談に対して、「人生から期待できるかが問題なのではなく、人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。」と返している。

第3回 運命と向き合って生きる

生きることについての3つの価値

3つの価値とは、創造価値・体験価値・態度価値である。

創造価値 (仕事への情熱)

創造価値とは「誰かが喜んでくれる」という思いから何かを創造する仕事をすることで生まれる喜びのことである。

  • フランクルの体験1 :自らの処女作(論文)を世に出したいという情熱から強制収容所でも執筆を続けた。このことは生きる支えとなった。

体験価値 (美や愛の体験)

体験価値とは美や愛の経験に宿る喜びである。

  • フランクルの体験1 : 圧倒的な美しさを持つ夕焼けに感動した。
  • フランクルの体験2 : 妻の愛が支えになった。

態度価値 (態度を選択する自由)

外的な環境に対して「態度を選択する自由」がどんな場合においても存在する。これは人間の持つ尊厳であり価値である。

  • フランクルの体験1 : チフスで死にかかっても快活さを失わない女性を見てそれを強く感じた。

第4回 苦悩の先にこそ光がある

苦悩する必要があるのか?

人生の本性は苦悩することにある。3つの価値は苦悩の先に存在するためである。

苦悩ばかりで生きる価値を感じないが?

間違った苦悩を続けても価値に到達することは出来ない。
人間は自分のために苦悩するのではなく、誰か(何か)のために苦悩することで生きる価値に到達できるようになっている。

理想的な人間を目指して

成功を追い求めるだけではなく、精神を高めることも人生の目的とするのがよい。
大きな苦悩に耐えることだできれば、多くの価値に到達することができるためである。

REFERENCE

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