pub:2016.2.11/upd:2016.8.5

【講義要約】認知心理学の研究方法 認知心理学#2 (放送大学)

認知心理学はたのしい

認知心理学の研究方法

認知心理学の研究手法には大まかに分けて、行動研究、コンピュータによるシミュレーション研究、脳研究の3つがある。

行動研究の一例 : イメージは存在するのか?

イメージとは「猫の顔を思い浮かべてください」と言われた時に我々の心に浮かぶ心的な象のことである。我々の意識には言語による記述的な描写よりも先に「絵」が浮かぶことが多い。この絵はイメージと呼ばれ初期の心理学からイメージは研究の対象とされてきた。

体験として、イメージを媒介して記憶にアクセスする仕組み(表象)が存在するように感じられるが、これを客観的な事実としてどのように証明できるかについては長く歴史的な検討が成されてきた。

内観法による証明の試み

内観法とは、被験者が感じたイメージを言葉で表現することで、その存在を確認する手法である。この方法では「客観的な事実」としてイメージが存在することの証明ができないことは明らかであるが、19世紀末まではこのような手法によって盛んに研究が行わていた。

行動観察による証明の試み

内観法を否定した行動観察的な心理学は「刺戟-反応の対」を概念装置として、因果関係を見出すことで存在を証明しようとした。しかし、イメージのような個人の内的な体験について、刺戟と反応のいずれもを客観的な観察が可能な状態に置くことが出来る実験法が見いだされることはなく、行動観察による証明は諦められた。

認知心理学による証明

我々はイメージを表象として記憶を引き出すほかにも、言語による記述な描写を表象して引き出すことも出来る。もしイメージが存在しないのであれば、我々は全ての記憶を言語表象を利用して取り出していることになるということになる。

そのことに注目して認知心理学者は、あるタスクを設計した。言語表象を用いて対応した場合には所要時間には差が出ないが、イメージを表象として用いれば所要時間に差が出るタイプのタスクである。

1980年代にフィンクとピンカーは、黒点をディスプレイに表示し、被験者に記憶させて消し、すぐ後に矢印を表示したのち、黒点が矢印の先あったかを答えさせるというタスクを考案した。
結果、矢印と黒点の間が物理的に離れれば離れるほど、解答まで時間がかかるという結果となった。この結果は、被験者がまず黒点をイメージし、イメージの中で矢印を延長して解答を行なっているからであるからだと理由付けされた。このことによって、表象としてのイメージが存在しそれには空間的な特性があることが確認された。

REFERENCE

Leave a Reply

Your email address will not be published.