pub:2015.4.12/upd:2016.8.3

【要約】できる研究者の論文生産術

どうすれば「たくさん」書けるのか

高いクオリティの文章を量産し、健全な社会生活も楽しんでいる人々も少なからずいるようだ。彼らはどんなふうにしてそれをやってのけているのか?

論文量産のコツ

筆者は「書く作業の生産性を高め、維持するにはどうすればよいのか?」という問いに対して、ひとつのシンプルな方針を示している。

「書くための時間を定めて習慣化すること。そしてそれを維持すること。」

それがコツであるという。

本書ではコツを実践する方法にについて以下の視点から整理される。

  • 言い訳は厳禁
  • 動機付けは大切
  • 励まし合うのも大事
  • 文体について

言い訳は厳禁

コツの実践を妨げる心理的な障壁が存在する。それは言い訳の形で顕在化する。
人間の考える大抵の言い訳は定形化されているので、あらかじめ典型的な言い訳の潰し方を知っておけば容易に対処できる。

言い訳1 : 書く時間が取れない

書くための時間は見つけるものではない。まず、定めるものである。

言い訳2 : 分析が足りない。知識が足りない。

執筆のために定めた時間の中で、必要な分析や知識獲得を行えば良い。

言い訳3 : 新しいコンピュータが必要だ

ほとんど書けないことに対する破れかぶれな言い訳としか思えない。

言い訳4 : 気分がのってくるのを待っている

自らの創造性の欠如を気分のせいにしない。執筆の時間を定めた人が、気が向いたときに書く人と比較して創造性に劣ることはないという実験結果もある。

動機付けは大切

執筆は大変な作業なので、自身のモチベーションの維持になによりも気を払わなくてはいけない。モチベーションを維持するためには目標を明確にする必要がある。

目標を設定する

書くための時間は、その日の目標を確認から開始する。とくに長い文章を書くためには以下の要素を管理する必要がある。

  • 目標のリスト
  • 優先順位
  • 進捗

励まし合うのも大事

サポートグループに入って意見とやる気をもらうのも大切な工夫ひとつである。
人間には他の人と目標を共にしていると行動を継続しやすい習性がある。

文体について

書く作業と、文章として整える作業をまとめて済ませようとしてはいけない。まずはおぼろげに全体を書き通して、それを修正するという2段階で執筆する方法が好ましい。

文章を整える作業では「力強さ」「明瞭さ」を意識すること。

学術論文を書いてみる

とくに学術論文に関しては、書きたいことを整理してからでなければ、書き始めることは事はできない。

まずアウトラインを作成する。書く「内容」を考えるという作業は、アウトラインを作る段階で行う。
学術論文には一定の雛形があるが、それぞれの項目について留意するべき点がある。

タイトルとアブストラクト

読者はタイトルとアブストラクトを読んで、その論文を読むかどうかを決める。
つまり、ここが拙いと後続の内容がどんなに優れていても誰にも読まれない論文になってしまう。そのため、最も力をこめて書く必要がある。

また、自分の名前と共に人の目に晒され続ける部分ともなるため「10年後でも恥ずかしくないもの」を目指して作成すること。

序論

研究を紹介することを目的とする。研究のアイデンティティは社会的な位置づけから決定されることを意識する。

方法

研究が手堅い方法で行われていることを示す。ここが怪しいと結果がどんなに素晴らしいものでも意味がなくなってしまう。

結果

結果を報告する。簡潔に、抜けもれなく。

考察

結果を生じさせた要因について分析や考察を行う。

総合考察

結果を意義づける。

参考文献

自分の研究を科学の営みの中に定める。

本も書いてみる

本を書くのはとても大変な作業である。それでも言いたいことがあるなら「ためらわずに本を書く」という決意を持って書き始めてみる。

全てを完成させてから本にすることを考えるのではなく、
アウトラインを作成して、企画書を出版社に持ち込むことから始めることもできる。

心がけとまとめ

望みは少なめに、こなす量は多めに。人生も楽しもう。

REFERENCE

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